起こしてくれと頼んだ目覚まし時計に翌朝にはブチギレている志水です。気がふれています。
さて、お久しぶりです。
誰に久しぶりなのか、そんなことはどうでもよくて、今年の5月に運営していた旭川市のゲストハウス"レトロハウス銀座旭川"を卒業し、6月から北海道大雪山の登山拠点である層雲峡温泉にて『層雲峡ホステル』という宿を始めていました。
宿をやるために公務員を辞め、自転車で日本縦断しながら日本の宿をみて、海外を放浪し、地元のゲストハウスでマネージャーをして、とうとうオーナーとして自分の好きな山のふもとで宿を。
なんだか経歴だけみると順風満帆に見えます。
しかし、そこには星の数ほどの苦楽がありました。(8割苦)
本当です。闇遊戯もびっくりの闇具合でした。
公務員を辞めてからの放浪期間は根拠のない自信しか持っていなく、グーグルマップで明日を探すこともしばしば。
宿レトロハウス時代には、掃除と建物の手直しの毎日。
繁忙期の夏は、小さな宿に思った以上のゲストが来て、毎日掃除をして、予約整理やらなんやらをしてあっという間に夕方。ゲストをお迎えして楽しく話して。ほっとステーションどころではなく、自らが24時間営業でした。
冬は、寒い宿を秀吉の如くふところで温め続け、スノーボーダーたちとゲラゲラ笑ってビールを飲んで、予約が入らなかった時は日雇いバイトをし、近所の必殺雪かき人を全うし、帰ってくると部屋は昭和基地かと思うほどの寒さ。みなさんは家の寒さで笑ったことがありますでしょうか。
今後はどうなっちゃうのか、どうしたらビジネスとしてうまくいくのか、どこかの会社で使われたほうが楽だな。そんなことを常に考えている貧乏暇なしを具現化した生活でした。
しかし、ゲストそれぞれを理解してそれぞれに合った情報を提供して地元を楽しんでもらおうという気持ちは変わりませんでした。
泊まりに来てくれたゲストに本当にありがとうです。
そして、ひとつの建物を管理するということ、自分で何かを売ってお金を稼ぐことの難しさと楽しさ、人とのかかわり方を学べて本当によかったと思っています。
助けに来てくれたヘルパーさん達、どローカルな世界に来てくれて本当に感謝しかありません。今度来てくれた時は徒歩5秒の焼き鳥屋で飲みましょう。
そんなこんなで溺れかかりながらも(溺れてた)、夏で改装費を回収、そして若干ではありますが、黒字決算で管理してからの1年間を終えました。
本当に大変だったけど、楽しかったなあ。
(レトロハウスは現在、私の100倍優しい人に引き継ぎ、いまも隠れたくないのに隠れ家的に営業しています。)
そしてなんといっても次の宿『層雲峡ホステル』の話。
秋から計画していたのですが、建物が決まるまで約半年。レトロハウス運営の傍ら、事業計画書やら運営計画やらお堅い書類づくりを日常の隙間にやっていました。(ホントは日常には隙間しかなく、もはや毎日隙だらけでした)
当初から「1年で何らかのチャンスがつかめなかったら辞めよう」ということで、宿レトロハウス銀座旭川を卒業することは決めていました。
次は自分の宿をオープンしたいと奮闘奮闘フンフンフンの日々。
なかなか良い物件にあたらなかったり、良い話には裏があったり、狙ってた物件のチャンスを逃したり。
もし良い話がなければ動く毛玉としてアラスカを自転車で走るというプラス思考の逃げ体制。もはや宿はできないと思い始めていて放浪ルートまで決めていました。星野道夫さんの本も読みまくっていました。アラスカに行ったら高く飛べると思っていました。おーこわ
そんな中、ぎりっぎりチャンスがふってきました。
場所は山のふもとの層雲峡。
元ユースホステルの物件。
その建物も多方面から難しいと言われましたが、上川町役場の皆さん、観光協会の皆さん、設備業者さん、クラウドファンディングにご協力してくれた方々のおかげでなんとか、なんとか自分の宿を運営できることが決まったのです。プリンセス天功並みのミラクル。
もう宿なんてしないなんて言わないよぜったいでした。
そこからは怒涛の毎日。
何が必要でどの順で進めていけば良いのかもわからないまま、がむしゃらに多方面へ連絡を取りまくり、スケジュール帳はすぐにギチギチになっていったのです。(字がデカイだけ)
建物改修、業者探し、各許可申請、保険加入、備品購入、カフェラテ購入、ほっと一息、リース契約、スタッフ募集、雇用手続き、税理士契約、補助金検討、こたつ検討、うとうと昼寝、クラウドファンデング立ち上げ、関連動画サーフィン、今日のバブの匂い検討、挨拶まわり、その他諸々、ほーら忙しそうだろーどうだーすごいだろーです。
ですが、全国忙しい自慢大会では予選敗退に決まっています。世の中みんな忙しいです。ナマケモノだって家事手伝いさんだって。
そもそも私の場合好きでやってるだけなのでバタバタは楽しいのです。
そんなこんな動いていると一番重要な一緒に働いてくれるスタッフが決まり、宿の準備も友人達の協力で進みに進み、新緑の6月に無事オープン。
今回のゲストハウスは山のふもとということもあり、半分山小屋のような形態で、夏秋限定。短い営業期間でどれだけできるか。
メインの利用者となる登山者はもちろん、旅の中継地として使う人、とりあえずなんかあるだろと来る人、そんな自然を楽しむすべての人へ安く良い宿泊を提供したい。
そんな自然の良さを宿泊という面からどう引き出せるかと期待で満たされていたのもつかの間。
宿泊の予約がなかなか思うように入らず、夜しか寝られない時期が続きました。
ハズキルーペのCMにもイラっとするくらいの精神状態でした。
しかし、謙さんの如く菊川怜をいなしていると、気温の上昇とともに少しずつ予約が。
ちゃんと自分たちがやりたいことをやっていれば、気づいてくれる人がいるのかもしれません。ハズキルーペだーいすき。
たくさんのゲストをお迎えすることができ、その数だけお見送り。
自分たちもたくさん山に登って。
みんなでご飯を食べて。
たくさん昼寝して。
地震を乗り越えて、気づいたら秋。
そして山は白に。
やってみてわかる山のふもとの豊かな生活。
山の安宿としてようやく機能してきたと思えば、あっっっという間にシーズンが終わってしまいました。
おっととっと夏だぜでした。
正直言うと、スタッフのみんなには余裕を見せながらも内心ヒーヒー言ってました。(余裕なぞ見せられてなかったぞと言いたいところでしょうがあれでも抑えていた方)
そんな中でも、ゲストに自分の好きな山を"良い山だねえ"と褒めてもらえると、自分のことのように嬉しかったり、ゲストとスタッフが仲良く話しているのをみたりすると、チームで働くのもいいなあと。
思い出にふけってしまいましたが、まだ宿はようやく最初のシーズンを終えたばかり。
より良い宿にできる部分はまだまだあります。
山のふもとの宿としてどのように成長できるのか。
始めるのは簡単で、大変なのは続けること。
来シーズンも頑張ります。頑張ろう。
そう!来夏、一緒にゆったり働いてくれるスタッフ募集中です!!
大事なことなのでもう一回言います。
2019年夏のスタッフ募集中です!!
冬は地元旭川市の旅行会社で働きます。良い経験をしてヨミの穴から出てきた麻倉葉ぐらい強くなって帰ってきます。
次回「くたばれシャーマンファイト(メキシコ)」