好きな飲み物はチャイとカツゲン、志水です。
インドのチャイで一服する文化が大好きです。
どの売店でもチャイが10〜20円で売っていて、少し寄って小さなコップでちびちびのんでまた歩き出す感じ。無理とはわかっていても日本にも欲しいです。
そもそもチャイって響きがいいですよね、女の子が好きなわけです。フラペチーノやマカロンが流行るのも響きがいいからでしょう。
しかし個人的には響きよりも本質を重視したいです。
そんなこんなでインドの最も西のバルタン星人のハサミのごとく飛び出ているカッチ地方にやってきました。
ここに来た理由は真っ白な塩原が広がる地域があると聞いたためです。
塩原というと、ボリビアのウユニ塩湖がメジャーですが、このカッチは私の大好きな言葉である"マイナー"な場所とか"玄人"向けと聞いて一つの目的地にしていました。
やっぱり玄人はかっこいいですよね、負けん気の強い越野だったり上手さがある高砂だったり。
拠点であるブージという町に着くなり英語が通じづらくなっていて、田舎に来たなあと感じます。
そこで、細かい会話はどうでも良くて、"インドで目的地の名前だけ連呼していればそこに着けるのか"という企画を緊急実施することにしました。
土地の名は。
『ホワイトラン』
バスターミナルでそこら辺の人に連呼してみます。
ホワイトランホワイトランホワイトランホワイトランホワイトランホワイトラン
指であっちだとかこのバスに乗れとか沢山のヒントをもらえました。
その中で頷きながら「ジープ100ルピー」と連呼しているおじちゃんがいたので早速ホイホイついて行きました。
ジープは荒野に伸びるまっすぐな道を行きます。
よくわからないところに降ろしてもらって、よくわからない朝の焚き火にあたりながら再度連呼します。
それっぽいバスが来たので連呼しながら乗ると、それっぽい雰囲気になってきました。
気づけばそれっぽいゲートに着いて、
それっぽい道をとぼとぼ歩いていくと
着きました。
インドは道を騙して料金上乗せしてぶんどる人が多いという印象でしたが、田舎では土地の名を連呼するだけで着くのです。
インド人最高。
それにしても真っ白な塩原がずーっと続いています。
何がいいって他に人が数人しかいないこと。
さすが玄人向け。
しかし夕暮れ時になるとインド人がこぞって来てフェス状態に。
夕暮れ時は人がたくさんですし、塩原も白くないので、朝か昼がおすすめです。
土地の名を連呼してただけなので泊まるところの予定を決めずにきてしまっていたのだけは後悔でした。
ここはリゾート地として建設真っ只中らしく、1泊4000ルピーとかしてしまう始末。
またまたーと他に行っても同じ始末。
日が暮れていたのでとなり村にいって何とか2000ルピーで手を打ってもらいましたが、まあ高い高い。
生まれ変わるならドバイ大富豪のイケイケ息子にしてくださーい!と叫んだのは言うまでもありません。
帰りもありがたいことにヒッチハイクですんなりと帰ってこれました。
トラックの運ちゃんとの言葉の通じない中での会話とか車内の雰囲気もなんだか田舎な感じで幸せでした。
塩原から帰ってきた総合的な感じだと、英語が通じづらい土地の方が人が優しいです。
親切すぎるぐらいです。
ぎゅうぎゅうのローカルバスに乗っていたら、急に止まって運転手に名指しで降りろと言われ、他の乗客もニヤニヤしていて、なんだこれ腹立つなと思っていたら、「お前はゲストだ、まぁチャイでも飲みなさい」と奢ってもらってしまう始末。乗客のみんなも公認だったのです。
なんて優しいのでしょう。
帰り際、連呼することをやめたからか、急に土地の名が思い出せず、涙と共に拳を開くと、
『すきだ』
と書かれてており、?となった次第です。
瀧くんごめんなさい。
次回「全全全部カレー」