こちらで散髪をしたら襟足が四角になった志水です。
封筒のフタと全く同じ形でびっくりしています。誰にメッセージを送るか考えていると1日終わっていました、大変です。
そんなこんなでインドの首都であるデリーに着きました。
ここのインド人は「観光客をガンガン騙すぞー!」と無駄にキレイな気合いが入っています。
たまに日本人をバカにしてくる腹の立つ人もいます。
日本文化の奥義、ショッピングセンターで親から呼び出しでも受ければいいです。
そんなデリーの公園で本をだらだら読んでいると、
デコに耳かきと綿棒を平行に貼り付けたいかにもやばいじじいが横にすっと座ってきました。
「あなたの耳汚い、すごく汚いね。耳掃除100ルピーね」
としきりに言ってきます。
文章では嘘にしか聞こえないようなこの耳かき野郎はきっとキンニク超人でしょう。どうやって消しゴムにしてやろうと考えてながらシカトしていると、
「トライトライ」
と勝手に綿棒を耳に突っ込んできてホジホジし始める始末。
私は日頃からやり過ぎというぐらい耳掃除をしているので、自信満々な顔をしていると、
じじいはドヤ顔で信じられない量の耳垢がついた綿棒を私の耳から出してみせたのです。
「へ?」
いやこの量耳に入ってたらまず何も聞こえないし、そんな訳はないとパニックになりながら言っていると、
「そんなに言うなら自分でチェックしてみろ」と。
耳に指を突っ込むと汚い何かがベッタリと付いていました。
なんとトライと言いながら耳垢もどきの物体をごっそりつけてやがったのです。
そしてそれを掃除してやるとの手口でした。
急激に沸点に達してしまった私は気づくと、インドでの細かいストレス×3週間分と共に天山並みの逆水平チョップをじじいに炸裂させていました。
「ううう..」とうろたえるじじい
さすがに武力行使はよくなかったかなと思っていると、じじいは私に言ったのです。
「じ、じゃあ50ルピーで」
次は眉間に二重の極みを決めてやると奴はへなへなと次の人へ声をかけ始めました。はやく消しゴムになってしまえ。
皆さんも耳かきマンには気をつけてください。気づけばあなたの横にいるかもしれません。
そんなことはどうでもよくて、デリーの都市を楽しんでいると、ようやく日本人の方々とも出会うことができました。
初日にボラれて1週間も経たずに帰ることになった青年、
ゆるくも熱いかっけえカメラマンさん、
旅プロのワーホリさん、
若い大学生達、
なんだか日本人と話すと、単調と化していた旅行にもメリハリが出て、どこからか元気が出たのが不思議です。
前はとがって使っていませんでしたが日本人宿も悪くないなと思えてきたこの頃です。
このカレー屋のおっちゃんまじでいい人だった。だまそうとしている人の中にいい人がいるから精神状態はいつもメンヘラです。
そしてデリーから近い天下の"タージマハル"にも行って参りました。
しかし残念ながら率直な感想は『あーあったあった』でした。
アンコールワットもそうでしたが、事前に調べすぎていてなんだかなあ阿藤快だったのです。まじめに感動しているフリをしてカレー以外の食べ物に思いをはせていました。
そんなこと言いながらもやはりデカい。迫力があります。
ホテルの屋上でだらだらしていたらタージマハルがヌッと見えて、それにはなんだかおおーと思うのでした。よくわかりません。
タージはデカい墓だと聞いて、死者蘇生を唱えましたが蘇ったのは耳かきじじいとの思い出だけでした。
耳かきって気持ち良いですよね。
次回「川の流れのように(ガンジスmix)」